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How to design a good survey (guide)/ja: Difference between revisions

From LimeSurvey Manual

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( ) とても悲しい ( ) 悲しい ( ) どちらでもない ( ) 幸せ ( ) とても幸せ</syntaxhighlight>
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上記のシナリオでは、配列質問を使うのが良いかもしれません。
上記のシナリオでは、配列回答の方が適しています。


==配列質問==
==配列質問==

Revision as of 07:03, 9 August 2023

よいアンケートを作るための簡単なガイド

LimeSurvey を使えば、アンケートをすばやく簡単に作成できます。残念ながら、そのせいで悪いアンケートを作るのも、とても簡単になってしまいます。

このページには、回答者が簡単に完了できるだけでなく、集計する側が意味のある回答を得られるアンケートをまとめるための簡単なガイドを記載しています。

ブログ、"Survey design tips & tricks(アンケートデザインのコツと技)"では、この他のとても役に立つ情報を掲載しています。

アンケートを作る前に

最初にいくつか質問します。どんなアンケートでも作りはじめる前に考えておいてほしいことです。そもそもアンケートが適切な方法なのかも含めて。

アンケートで本当に知りたいことは何ですか?

この質問に答えた上で、次の点について考えてください。

  • アンケートで調査に必要な情報を得られるか?
  • どんな人物にアンケートに回答してもらうのが適切か?
  • 適切な人たちにどうすればコンタクトできるか?
  • 参加者がアンケートの質問を完璧に理解したうえで回答を完了するための最適な方法は?(得た情報が正確・有用であるために)
  • (データ分析の)統計的手法について、収集したデータにどれを用いたい、もしくは用いる必要があるか?


こうした質問・確認は、LimeSurvey が最適なツールかどうかを判断する際にはっきりさせておくべき点のほんの一部です。

完全に構造化されたアンケート(面談をはじめる前に尋ねるべき質問がすべてわかっている)、標準化されたアンケート(全員がほぼ同じ質問を受ける)、ほとんど定量的なアンケート(質問項目が主に数字や、事前に選択肢が定まったもの)…LimeSurvey はこうしたアンケートをオンラインで収集するのに最適です。


もちろん、ある程度はこの限りではありません。 いくつかの種類の電話での聞き取りの回答を LimeSurvey で収集するのにも使えます。 LimeSurvey で、例えば記述型の質問などの定性的なデータを収集することもできます。

しかし、ある時点で、他の調査方法の方が適しているという結論になるかもしれません。

アンケートの構成

質問の順序をどうするか、どう質問をグループ化するかを決めるには、考えるべき点があります。

なるべく、はじめは答えるのが簡単で、参加者全員が答えるのに不快と感じない質問から尋ねます。こうした質問は、よくスクリーニング(ふるい分け)の質問として使われます。つまり、適切な人に回答してもらうための確認として用いる質問です(こうしたスクリーニングの質問を取り扱うには、条件割り当て のいずれか、または両方を使います)。

最初にこの種の質問をすると、参加者がアンケートの回答を完了する前に離れてしまうのを防ぐことができます。こうした導入・スクリーニングの質問に答える労力をすでに費やしてしまったことで、多くの人は作業を中断する可能性が低くなるからです。

:

次のくだもののうち、どれが好きですか?
#りんご()
#バナナ ()
#さくらんぼ ()

(単一回答)

条件を使うと、参加者が「さくらんぼ」を選択したら、次にさくらんぼについての質問を表示するように設定できます。

なぜ、さくらんぼが好きなのですか?
#おいしいから
#色が大好きだから
#健康的だから
#みずみずしいから
#チェリーパイが大好きだから

(複数回答――正確なデータが必要であれば単一回答――の質問)

さくらんぼは、どのくらい好きですか?
#1) 他のくだものほど好きではない
#2) 他のくだものよりも好き
#3) 大好きなくだものの1つ!
#4) さくらんぼが大好きだ~っ!!!

(単一回答)

さくらんぼを使ったレシピを何か知っていますか?

[記述]

上記は、つづくメインの質問への導入として配置する簡単な質問の例です。

目的は、さくらんぼ、りんご、バナナを使ったレシピを集めることにあります。

一方、ハードな質問を尋ねなければならない場合は、質問や質問グループごとにページを改めたり、最後にそのような質問をすることを考えてもいいかもしれません。こうすれば、もし参加者がアンケートを完了しなかったとしても、少なくともそれまでの回答は保存されます。

構成について考えるべきその他の点 - アンケート自体がもたらすバイアス(先入観や刷り込み)を避けること。

たとえば市場調査では、補助なしの質問と補助ありの質問を必要とする概念があります。

補助なしの質問の例は次のとおり :

「あなたが知っているチョコレートのブランドは何ですか?」

(つづいて空白のテキストボックス)

以下は、補助ありの質問の例 :

「次のチョコレートのブランドのうち知っているのはどれですか?」

(つづいてブランドのリスト・複数回答)

前述したように、両方のタイプの質問(補助ありと補助なし) を同じアンケートに含めることを選んだ場合は、両者を必ず別のページに配置し、補助なしの質問を補助ありの質問の前に配置しなくてはなりません。補助ありの質問を補助なしの質問の前に置くと、参加者の回答に無意識に影響を与え、結果が無効になるかもしれません。

独立した質問

質問は示唆的であってはなりません。「LimeSurveyについてどう思いますか?」は、承認できる(示唆的ではない)質問です。一方、「LimeSurvey が本当にすばらしいツールであることに同意しませんか?」は示唆的な質問です。

質問の表現に関するその他の例と提案 :

次のように質問すると、多くの人は寄付に「はい」と答えるかもしれません:

  • 「自然は好きですか?」
  • 「川を守るために寄付しませんか?」


次のように質問すると、多くの人はおそらく「いいえ」と答えるでしょう :

  • 「お金が足りなくて悩んでいますか?」
  • 「川を守るために寄付しませんか?」


適切な回答を求めるために、質問の順序を次のようにします :

  • 当たり障りのないものからセンシティブ(敏感)なものへ
  • 一般的なものからより具体的なものへ
  • 事実についての質問から意見を聞く質問へ

また、アンケートの質問は以下の通り大別できます :

  • 自由回答 (回答者が自分の言葉で回答)
  • 限定回答 (限られた数の選択肢から選ぶ)

限定回答は、分析がはるかに簡単ですが、回答者が本当に望む選択肢を用意できないかもしれません。

例 : 「好きな色は何ですか?」

自由回答: 「ダークフューシャ」と答える人がいるかもしれません。結果に「ダークフューシャ」の分類を作らなければなりません。

限定回答: 12種類の色から選ばせれば集計は楽です。しかし、回答者が本当に好きな色を選べないかもしれません。

各々の質問を慎重に検討し、自由回答にするか、限定回答にするかを決定します。回答についてより深い洞察が必要な場合は、自由回答の質問を使用してください。そうでない場合は、限定回答の質問を使用します。

例(自由回答) : 「川をきれいにする最善の方法は何だと思いますか?」

「自由回答」にする : 回答を表やグラフにまとめるのは簡単ではないでしょう。しかし、川や環境の浄化に対する人びとの感情や考えについて深い洞察が得られ、レポートに直接引用できるかもしれません。

例(限定回答) : 「どのくらいの頻度で川に行きますか?」

次の選択肢を使って「限定回答」にする :

  • ほぼ毎日
  • 少なくとも年に 5 回
  • 年に 1 ~ 4 回
  • ほとんどない

このデータはきれいな棒グラフで表すことができます。

複数選択または単一選択の質問を扱う場合は、必ず適切な質問の種類を選択し、質問と選択肢の両方を適切に作成してください。

例 :

次のくだもののうち、どれが好きですか?
#りんご ()
#バナナ ()
#さくらんぼ ()

上の例は、選択肢の中に好きなものが複数あり得るので、典型的な複数選択の質問です。一方、「次のくだもののうち、どれが一番好きですか?」は単一選択の質問です。

どちらのくだものの例も、あなたの関心がリスト内のくだものだけにあることをはっきりさせるために定式化しています。「あなたの好きなくだものは何ですか?」と尋ねる場合は、くだものの完全なリストを用意するか、より一般的に、LimeSurvey の設定を使用して「その他」項目を追加する必要があります。一般的に、回答の選択肢は完全で、相互に排他的で、明確である必要があります。

複数回答または単一回答の質問で、多数の選択肢から選択する場合、別のバイアスを生じる可能性について注意しなければなりません。参加者は中ほどの選択肢ではなく、最初の選択肢に注意をむけがちだからです。LimeSurvey には、質問の選択肢の順序をランダムにすることで、この問題をある程度解消する優れた設定を提供しています。

どうしたらよいアンケートになるか?

より正確に評価につながる適切な回答を引き出すアンケートには、3つの特徴があります。

  1. 質問が明確かつ正確で、全体として詳細・明瞭で意味のある回答が得られる。
  2. すべての選択肢が事前に定義され、形式が質問に対して適切である。
  3. 回答者の必要に応じて、情報を追加できる余地がある。

それにくわえて、ユーザーエクスペリエンスを常に考慮しましょう。読み、スクロールし、クリックするのは疲れる作業です。そのために… :

  1. 不必要な質問を避ける。
  2. 条件を使って、特定の回答者に関係ない質問を避ける。
  3. 質問・選択肢は短く・読みやすく。適切なマークアップを使用する。
  4. スクロールとクリックのトレードオフを考慮する。短いアンケート(質問の複雑さによるが、5~15問程度)は 1 ページに表示する。長いアンケートではグループを賢く使う、つまり質問をわかりやすくグループ化する。グループの説明を使って、あとに続く質問の話題・テーマについて明確に説明を加える。
  5. さまざまな異なるスケールで回答者を混乱させないようにする。つまり、スケールの種類、スケールの範囲、スケールの説明をできるかぎり制限する。スケールの方向を変えないように注意する(方法論的に例外はある)
  6. 採点スケールの場合は、回答者の意思決定を容易にするために、選択肢を偶数にすることでいずれかの方向を選ばなければならないようにすると便利な場合がある(下記、参照)。
いかに「いいか」の選択肢スケールの例 :

1. 非常によい

2. よい

3. 少しだけよい

4. あまりよくない

5. よくない

6. 非常によくない

いかに「悪いか」の選択肢スケールの例 :

1. よい

2. どちらでもない

3. よくない

アンケートの設計をはじめるベストな方法は、理想的な回答を、少し想像してみることです。意味のある回答が最も有益であることは言うまでもないので、そのような回答をうながす質問を作成するようにしてください。

そのためにはどうしたらよいでしょう? すべての領域を分離し、必要な情報は何かを決めることが最善の方法です。

例えば、一般公開のイベントを開催し、そのイベントについての一般的なフィードバックを得る必要があるとします。

次のアンケートは、有用な回答を引き出すのに不十分と思われるアンケートの例です。

イベントを楽しかったですか?

( ) はい

( ) いいえ

無線 LAN はどのくらい快適でしたか?

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )

イベント会場に着くまでに問題はありましたか?

( ) はい

( ) いいえ

配布した地図は役に立ちましたか?

( ) はい

( ) いいえ

出演者の組み合わせについてはどう思いましたか?

( ) とても悲しい ( ) 悲しい ( ) どちらでもない ( ) 幸せ ( ) とても幸せ

上記のシナリオでは、配列回答の方が適しています。

配列質問

一般的に、尺度による質問は、年齢、時間、数量に関する質問にのみ使用すべきです。有用なフィードバックを得るためには、配列質問の文言は適切に表現すべきです。構成が適切でない場合、追加的な情報を収集することができないため、強制的な質問配列によって回答が抑制されてしまう可能性があることを覚えておいてください。

おそらく、アンケートを完了させようとしているならば、参加者はフィードバックをしたいと思っているでしょうが、有効な情報を共有したくないと思ったならば、ウィンドウを閉じてやめてしまうでしょう。

上記の例は何がよくないのでしょうか。

ひとつひとつ見ていきましょう。

質問1では何も得られません。100個の"いいえ"という回答が得られたらどうでしょう。この回答だけでは、参加者がなぜイベントを楽しめなかったのかについて、有益な情報を得ることができません。"いいえ"という回答に対し、理由を知りたくなるでしょうし、回答への対処に迷うことになるでしょう。のちほど、どのように改善できるかに触れます。

質問2は一つ目よりもひどいものです。先に触れた3つの特徴に立ち戻れば、この質問には明確さと正確さが必要です。Wifiの専門家でなくとも、これを計測するよりよい方法があります。さらに、"33%がWifiをよいと答えたと分かったとして、たったの23%がよいと答えた場合と比べ、何ができるか"のような問いに対し、有益な答えを得ることができません。よいアンケートの3つの特徴には、事前に定義された回答が質問に適合したものである必要がある、とあります。

この質問に尺度を使用しても、Wifiの品質を向上させることができないのは明らかです。この質問には、追加情報を入力できるスペースが必要です。具体的な問題について詳しい説明がないまま、報告することできるでしょうか。

この場合、参加者がWi-Fiに関して抱えたいた問題に適切に対処するために十分な情報を得ることはほぼ不可能でしょう。アンケートは、行動したり学んだりするために有益な情報を得る行為です。

質問3、4は、最初の2つの質問と同じ結果になります。これらの質問では、"はい"か"いいえ"でしか答えられず、どちらも詳細を追加することができません。このセクションの後に、こうした質問の改善方法に関する提案があります。

最後の質問5も意味のない質問です。何かについての満足度を訪ねても、人によって関心が異なり、各自が講師に対し異なる意見を持っている可能性が高く、あまり有用ではありません。これは、使うべきでないところで"尺度"を使っているもう一つの例です。

改善したアンケートを見てみましょう。

場内のWi-Fiを使いましたか?

( ) はい

( ) いいえ

何か問題はありましたか?

( ) まったく問題ない

( ) 少々の問題はあったが、大したことはない

( ) いくつか深刻な問題があった

( ) Wifiは使い物にならなかった

(問題があった方)簡単に状況をお聞かせください。(テキスト)

イベントに向かう上で問題はありましたか?

( ) はい

( ) いいえ

会場にはどのように来ましたか?

( ) 鉄道

( ) 

( ) バス

( ) ライトレール(地下鉄、トラム)

( ) 徒歩

我々のウェブサイトの地図を使いましたか?

( ) はい

( ) いいえ

地図をお使いの場合、十分な内容でしたか?

( ) はい

( ) 大まかな情報は得られたが、別の詳しい地図を使った

( ) 不十分だった

(地図を使わなかった方)なぜ地図を使わなかったのですか?

( ) 不十分だったから

( ) 代わりにGoogle mapsを使った

( ) 地図があることを知らなかった

全体として、講演はいかがでしたか?楽しめましたか?

( ) ほとんどが興味深く、楽しめるものだった

( ) 大体楽しめたが、つまらないものもあった

( ) 半々だった

( ) 退屈だった

( ) 興味を引くものはまったくなかった

上記の答えについて詳しくお聞かせください。具体例(講師、項目)があれば遠慮なくお書きください。

(テキスト)

講演内容について改善すべき点があればお書きください。

(テキスト)

その他、ご意見があればお聞かせください。(テキスト)

少し長いアンケートになりましたが、回答するのも回答を解釈するのも容易になりました。それぞれのトピックについていくつか聞くことにより、結果を処理する際により詳しく分析できるようになります。例えば、最初のアンケートの質問に対し、30人がイベントに向かう上で何らかの問題があったと回答したとします。

これは、結果から得られる情報ですが、新たな回答セットによってどの交通手段に問題があったのかを推測することが可能になります。さらに、提供した地図を使ったか、あるいは別の案内を利用していたかがわかり、将来の改善につなげることができます。

質問が50を超える場合、参加者は問題を読むのをやめてしまう可能性が高いことに注意してください。

新たに加えたテキスト質問も重要です。参加者から具体的なフィードバックを得ることができます。回答を必須にしてしまうと、アンケートの回答をやめてしまうかもしれないので、回答は任意とするのがよいでしょう。

最後に、アンケートを作成するときは、分析に役立つ情報をより多く得るため、具体的なことを聞くアンケートにする必要があります。また、追加でバックグラウンド情報を集めることにより、回答についてよりよい分析ができるということを覚えておきましょう。

また、質問の言葉遣いを適切にすることも重要です。質問に答えようとしていても、それを理解できなければウィンドウを閉じて行ってしまいます。可能であれば、一般公開する前に他の人にアンケートを校正してもらい、質問が明確になっているか確認します。

アンケートのバイアス

市場調査を実施するうえで、偏りのない回答を得るためには、アンケート参加者の回答に影響を与える可能性のある質問を避けることが重要です。アンケートの偏りを避けることにより、無効な回答や、ゆがんだデータ収集を排除できます。 市場調査に関する適切な研修や知識を受けていない企業や個人は、このようなミスを犯しがちです。これは、質問の言葉遣い、選択できる回答の種類、電話や対面でデータを収集している場合にインタビュアーがどのように質問を提示するかなど、多くのことに当てはまります。


バイアスがかかった質問の例は、以下のようなものです。

イベントはどの程度楽しめましたか?

( )とても楽しめた

( )少し楽しめた

( )あまり楽しめなかった

( )まったく楽しめなかった

一見すると、質問の構造に問題はなさそうです。実際、回答者は、"とても楽しめた"から"まったく楽しめなかった"までの答えを選ぶことができます。しかし、質問の言い回しに問題があります。"どの程度"楽しめたか、と聞くことによって、そのアンケートはすでに、回答者は何らかの形でイベントを楽しんだと想定している、というバイアスがかかっていますが、そうではないかもしれません。

次の例は、参加者の回答に影響を与えない、よりよい聞き方です。

イベントの全体的な娯楽性について1から5で評価してください。1は"まったく楽しめなかった"、5は"とても楽しめた"とします。

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( ) ( ) ( ) ( ) ( )

質問の言い回しを変えることによって、回答者は楽しんだレベルを決めやすい尺度を使って回答することができ、アンケートを行う側は他の回答結果とともに集計し比較することができます。もちろん、参加者が何を楽しめたのか、楽しめなかったのかを具体的に聞くには、もっと質問を増やす必要があります。

これは、言葉遣いをわずかに変えることによってアンケートの改善につながる例です。